運命に抗う?受け入れる?ゲーム「Last Day of June」レビュー・考察【Steam】

運命に抗う?受け入れる?ゲーム「Last Day of June」レビュー・考察【Steam】

 

こんにちは、ろびです。
久しぶりですが、相変わらず扁桃炎で苦しんでいます。
入籍したり転職したり私事で色々ありましたが、落ち着いてきたので投稿を再開します。

今回紹介するゲームは「Last Day of June」。
随分前にSteamのウィッシュリストに入れていたところ、60%オフになっていたので購入しました。

Last Day of June

あらすじ
Carl(カール)は妻June(ジューン)と湖に出かけた帰り道、交通事故で妻を失ってしまう。
一人になったカールは、事故に関係する人物達の過去を操作し、ジューンを取り戻そうとする。

タイムリープ系のアドベンチャーゲームです。

絵本のような世界観

ミニチュアのおもちゃのような世界で、光の描写がきれい。
キャラクターのパタパタした動きとかかわいいです。

ゲームシステム

事故に関係のあるキャラクターそれぞれの当日の行動を遡り、事故時点の行動を変えていきます。
このキャラクターでこの選択肢を取ると、あのキャラクターでアイテムが使えない、等それぞれのキャラクターの行動が複雑に交差している為、上手く調整しながら正しい道を模索していきます。

また、コレクション要素もあり、キャラクターの顔が書かれた丸いオブジェクトを指定のキャラクターで取ると各々の思い出が開放されていきます。
これを集めるのにも、特定のキャラクターでないと開けられないドアや障害物があるので開けられるものや退けられる物はどんどん開けていきましょう(キャラクターの開けたドアは他のキャラクターのターンでも開かれたままになります)

大切な人を失うということ

「Life is Strange」のような、時間操作系のゲームがやりたいなあと思ってウィッシュリストに入れていたんですが、「Life is Strange」が大切な友達を死なせないように過去を変えるのに対し、「Last Day of June」は死んでしまった大切な人を救う為模索するゲームでした。可愛らしいビジュアルに反して、胸にズドンとくる重いテーマを内包していて、プレーヤーに考えさせる余地もあって、丁寧に作られているなあと感じました。
迷っている人は是非プレイをおすすめします。

考察というか、解釈というか

これより下は、思いっきりネタバレありで真相について私が考えたことについて書き連ねているので、未プレイの方は注意!

 

 

 

言葉は実績名ぐらいしかなく、描写されない部分が多いため、十人十色さまざまな解釈が可能なゲームだと思います。
普通に流れを追うと、ジューンを失い足が不自由になったカールが、不思議な力で絵を通して過去の分岐を変えられるようになり奔走し、ジューンの代わりに自分が死ぬことで妻子が生き残る未来に変えた。というところですが、ジューンの泣き声が聞こえてきたり、ジューンも同じように過去を変えようとしていたかのようなスケッチブックが出てくることを考慮すると違う解釈もできそうです。

1.カールは初めから死んでいる 説

1 事故が起こった
2 カール一人だけが椅子に座り、歩くには車椅子が必要

分かっているのはこの2つ。
この2つの事実から、必然的に事故でジューンは死んだんだろうとプレーヤーは察しますが、ゲーム内でジューンが死んだ決定的な証拠は無く、逆にカールの墓ははっきり描写されます。
また、実績「しばらくお待ち下さい(条件:真実を受け入れる)」の画像がカールの墓であることからも、真実=カールの死なのでは?という解釈です。

そう考えると、村の中に散らばるジューンとの思い出を回想するのは走馬灯にも思えます。

ただ、カールが初めから死んでいたとすると、最後の選択肢でジューンと入れ替わってしまうと結果が変わってしまうという矛盾が生まれてしまいます。

2.平行世界 説

ジューンが死んだ世界(カールが車椅子の世界)とカールが死んだ世界(子供部屋がある世界)がリンクして、ジューンのスケッチブックや子供部屋が車椅子の世界にも現れ、ジューンの悲嘆する声が聞こえたと考える解釈です。

こう考えると、カールは過去の改変をしているのではなく、違う分岐の組み合わせを辿った他の平行世界に移動ができる、狭間のようなところにいて、最後は自分は死ぬけどジューンが生き残る世界に移動することを選んだ、という物語になります。

真実=カールの死、に矛盾が生まれますが、ジューン視点での実績名と考えて、スケッチブックをぐしゃぐしゃに塗りつぶすほど後悔の念に押しつぶされていたジューンが、自分の意思でその道を選んだカールと幻の中でも邂逅することで、真実(=カールの死)を受け入れた、とすれば無理がないでしょうか。

ゲームのシステム的にも、カール自身が過去に行ったり過去の自分に入れ替わって直接介入するのではなく、あくまでそれぞれの人物が取りうる自然な行動の内でしか選択を変えられないのは、存在する平行世界にしか行けないからかなと思いました。

 

 

3.散らばる謎

教会の裏に捨てられた絵画。誰だろう…?

車椅子で上に行くための昇降機も設置しているのに、2階にはあまり上っていない?ベッドはマットレスだけになっていて、寝室の隅には蜘蛛の巣も張ってる。

少年がこのポーズをとってジューンが描いている思い出があることから、ここの絵は全部ジューンが描いていると思うんだけど、ジューン自身の絵があることに違和感。

一番の謎はプレゼントの中身。子供ができたことに関係すると思うんだけど、なぜおじいさんが持ってきたのか…
おじいさん繋がりだとやっぱり「花」とか「テディベア」とか?(おじいさんの家にもテディベア発見、寝室や子供部屋にもあったので)

4.人は二度死ぬという

おじいさんの思い出をすべて集めると得られる実績「人間は2度死ぬと言う」
肉体の死と他者の記憶からの死ですが、このゲーム、この作品が最も伝えたいのはここなのかなと思いました。
ジューンが死んでから家中にあった絵は取り払われ、家の中からジューンの気配が無くなってしまっているけど、村中にジューンとの思い出が散らばっていて、それは決して忘れることはできないし忘れてはいけないもの。
他のキャラクター達も、それぞれ失った人や捨てようとした過去があるけど、忘れずしっかり抱えて生きている。
どんなに辛くても、大切な人を記憶の中からも殺してはいけない、そんなメッセージを感じます。

とりあえず以上。

7/14追記

アイキャッチ画像を描いてみたので差し替えました。

 


Last Day Of June (Original Game Soundtrack)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です