こんにちは、ろびです。
気になっていた映画「シェイプ・オブ・ウォーター」を観てきたので感想です。
ちなみに、ギレルモ・デル・トロ作品だと他に「ヘルボーイ」と「パンズ・ラビリンス」を観てます。
「シェイプ・オブ・ウォーター」さらっと感想
あらすじ
舞台は冷戦下のアメリカ。政府の研究施設で清掃員として働く女性イライザ(サリー・ホーキンス)は、幼い頃に声を失っている。孤独を感じながら単調な日々を過ごす彼女は、研究対象として運び込まれた半魚人(ダグ・ジョーンズ)と出会う。
イライザが可愛い
イライザを演じるサリー・ホーキンスは41歳と、恋愛映画のヒロインにしては結構年上な方ですが、内巻きボブにカチューシャという見た目のせいか、濁りのない目のせいか、なんとも少女のようなピュアさを感じます。
また、声での表現を封じられているにも関わらず、表情と身振り手振りで感情がひしひしと伝わってくる。
途中イライザの気持ちにあてられて胸がきゅーっとなりました。
魅力的な半魚人
特殊メイクとCGでエラとか皮膚の質感がかなりリアルに表現されており、一見グロテスクにも思える半魚人ですが、段々と凄く美しく見えてくる。
凄く引き締まった肉体をしていてとてもセクシー。
また半魚人役のダグ・ジョーンズさんは「パンズ・ラビリンス」のパン役もやられており、「ヘルボーイ」ではエイブ・サピエン役、そう!ここでも半魚人役をされてます。
R15作品です
予告以外の前情報無しに観に行ったので、R15+となっていたのはてっきり血とかグロ方向かと思ったんですが、いやそれもあったんですが、官能的なシーンの影響もあったんですね。
でもこの要素があるからこそ作品をより深みのあるものにしていると感じました。
もうちょっと感想だらだら(ネタバレ注意)
「彼は不完全なわたしじゃなく、ありのままのわたしを見てくれる」
予告でも出てくるシーンで、私は単純に愛の表明のセリフと思っていたんですが、違いますね。
人間社会でのイライザは「喋れない女」。言葉は悪いけど「声が出せない」「不完全な人間」として認識される。
でも「彼」はイライザに「耳が聞こえないのか?」「しゃべれないのか?」とは聞かない。それは彼にとって彼女から欠けたものではないから。今の彼女が、そのままで「完全な」イライザだから。
だからこそ、「彼」はイライザにとって無二の存在だ、ということを言っていたんですね。
王道なシーンかもしれないけど、部屋から出ていこうとする隣人のジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)に手話を読むように迫り、これを伝えるイライザの表情からは気持ちが溢れ出していて、思わずうるっときてしまいました。
「完全な人間」に執着する男
ストリックランド(マイケル・シャノン)は「完全な人間」の形に執着します。
アマゾンの奥地で崇められていたという「彼」より人間の方が「神」に近い形で、黒人の清掃員ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)より自分の方がより近いと語り、「彼」に食いちぎられた2本の指を、壊死して黒くなってしまっても付け続け、欠損を受け入れない。
また彼は「社会的強者」であることにも執着している為、貴重な研究対象を奪ったのは敵国ロシアの巨大な組織でなくてはなりませんでした。
最後の流れは畳み掛けるように、
犯人はロシアではなく清掃員(社会的強者ではなく弱者だった)
↓
ゼルダではなくイライザが犯人(手話で不穏な動きをしていたイライザではなくゼルダの元に来たのは、この時になってもイライザという欠けた人間が自分を出し抜ける訳がないと思っていたからでしょう)
↓
不気味で下等な生き物だと思っていた「彼」の驚異的な治癒能力を見せつけられる(人間が神に近い生き物という考えをひっくり返される)
と彼を形作っていたものを粉々にしていきます。
シェイプオブウォーター、水の形
「シェイプ・オブ・ウォーター」=水の形というこのタイトルは、「人間の形」や「神の形」をこれと決めつけることは、本来形の無い「水」の形を決めつけるようなこと、「人間」も「神」も「水」のように決まった形の無いもの、という意味も込められてるのではと思いました。
良い映画だったー!
というわけで、良い映画でした!
「シェイプ・オブ・ウォーター」は吹き替えが無かったので(無いですよね?)字幕で観ましたが、字幕を追うのに忙しくて表情とか細かい所を見逃しているかもしれないので、もう一回じっくり鑑賞したいですねー。
では!
7/15追記
アイキャッチ画像をドットで描いてみたので差し替えました。